FileMaker Go 開発・利用者の為のiOSアプリ構築体験ハンズオン(Season2 – day2)

FileMaker Go 開発・利用者の為のiOSアプリ構築体験ハンズオン(Season2 – day2)

2025/09/29 10:00〜 札幌市生涯学習センターちえりあ

次第に秋の気配が出始めているいつもの会場、札幌市生涯学習施設ちえりあ。


日ごろ、FileMaker プラットフォームでの開発や運用を愛してやまない面々が、愛すればこそ、現在の世の中ではどの様にiPhoneアプリを作っているのか、そして、それはiOSアプリとしてのFileMaker Goと何がどれだけ違うのか、敢えて居心地の良い環境に留まらず、新たな未開の地を右往左往しながら進む体験をすることを目的に始まった「FileMaker Go 開発・利用者の為のiOSアプリ構築体験ハンズオン」。前回からSeason2 に入り、これ迄の学んだ知識とAIの力を思う存分借りながら、今回も未開の地を進んだ。

そして、今回もこの開拓団を先導していただいたのは、主催DBPowers のビジネスパートナーである、ソーコネクト社の井口氏。落伍者が出ないようにと、細かなサポートで迷える子羊たちを確実に前と進めていただいている。


繰り返しにはなるが、今シーズンのテーマは、

iPhoneアプリとして、ビジター受付情報を収集し、それをODataを利用してFileMaker Serverに格納。格納したデータの確認はスタンダードな FileMakerPro を利用して確認、更新。ビジターには現在の受付進捗の情報を待合室を想定する場所でデジタルサイネージのごとくAppleTV上のアプリで表示する環境を構築、というもの。

前回は、iPhoneアプリをデザインした絵をAIに読ませて、swiftUIで動作するコードを生成し、iOSシミュレータで表示。同様にAppleTVで動作するアプリのイメージデザインを描いて、これも同様にAIに読ませた上で、swiftUIにtvOSアプリを作ってもらいシミュレートするところまでを実施した。

今回、当初予定では、こうして書かれたコードを紐解きながら、その意味や意図を検証するはずだったものの、少々時間が不足気味であったことから急遽予定を変更して、MCPサーバーをローカル環境に構築して、今後のコード生成に利用する様々なAIの効率化を進める、こととした。


最近はAIのニュースを見ない日はなく、それに伴って様々な新しい言葉も生まれ、それらの言葉の認知、理解をするだけでもなかなか難しい。今回取り上げた[MCP]なる言葉も、ここ1〜2年で一気に一般化したように思える。言葉としては知っていても、実際に使ってみるまではいかない、いけない、のはよくある話。そこで、「AIを使うならこれはもうセットで使いましょう、AI利用のToken が、劇的に、或いは確実に下がります」、との井口氏の言葉で、まずはMCPの基礎知識講座。続けて、とりあえず、入れてみましょう、といのことで、今回、井口氏ご推奨の次も3つのMCPサーバー(Serena MCP, Sequential Thinking MCP, Context7 MCP)をローカル環境に入れてみることとした。


最初に試したのは、Serena MCP 。

インストールは、公式サイトや関連するサイトの指南書を確認しながら実行。このワークショップはSwiftUIを使うことが前提のハンズオンなので基本のOSバージョンの違いこそあれみなMac環境。そこでまずは、環境構築の定番homebrew が入っているかを確認した上で、その環境を個々に適した最新版に揃えて、brew コマンドで一気にインストール。MCPは、AI利用が前提にあり、前回よりこのワークショップではgeminiを使うことが多かった事から、geminiとの連携での環境構築を施行。

人に、或いは、環境によってはうまく最後まで行かずにエラーが出ていることもあるので、その表示されたエラーをプロジェクタにて表示させながら、エラーの解読と回避策を考えつつ、全員が環境構築の完了。

無事にgeminiに問い合わせをするとserenaMCPが引き取って然るべき処理をしていることが画面に表示されているログからも確認できた。

実際、geminiを通して今回も色々問い合わせをしてはおり、その都度、serenaMCPが処理をしている様子は見受けられるものの、果たしてどれほどのtoken消費が節約されたかは不明、というのが正直なところ。ただ、今回も含めた一連のトレーナーを務めてもらっている井口氏によれば、実感として相当、token消費がコストと共に減っており、今後はどのようなAIを使うにせよMCP利用はデフォルトになるのでは、とのこと。まずは、どんなMCPでも使ってみる、ということなのであろう。


と、ここまでの試行錯誤で予定したいた2時間は使い切ってしまったこともあり、今回はここ迄。

当初予定だった、AIに書いてもらったコードを読み解く、という内容は次回に持ち越しとなった。


因みに、今回は一番最初にVibe Codingの概略についても学んだ。

AIを使ってのcodingをここ迄約半年間、学んできているので、現在の時流の一つになっている自然言語を使ってのcodingについても、ということで約30分ほどはその理解に費やした。元々FileMakerプラットフォームは直感的な作り込みができる、という評判で認知されていることが多い。その素性からすると、VibeCodingでコードを書くという作業は極力AIに任せて、その空いた時間を要して、提供するアプリケーションが求められている人に効果的に利用してもらうためのアイディア出しと想像する未来に時間を使う、という開発環境は非常に親和性の高い環境ではないか、と感じる。


次回は11月の下旬を予定。AIを取り巻く環境は日々刻々と劇的に変化を続けている。濁流のような情報量の波に溺れないように、こうしたハンズオン形式のワークショップで、手を動かし、自分の頭で考え、実体験として接し、自分流のAIとの付き合い方を整えていける機会を次回もまた準備、提供する予定。