【現地レポート】新潟大学にて「FileMaker de 課題解決セミナー2026」
【現地レポート】新潟大学 FileMaker キャンパスプログラム「FileMaker de 課題解決セミナー2026」開催
昨年の第1回開講に引き続き、今年も新潟大学創生学部で開講された「FileMaker de 課題解決セミナー2026」に非常勤講師として参加させていただくことができましたので、講義の様子をレポートいたします。
今季は、昨夏の第1回(5.5時間/日×3日間)および昨年後期での必修科目「文理融合型学部の1-2年生対象のアソシエーションゼミ」での8コマ利用での展開の経験を踏まえ、全学に広報した意欲的な開講告知の結果、参加希望学生16名、当日参加13名での開講となりました。
特に今季は、昨年受講生でFileMakerカンファレンスでもご登壇いただいた三河さんがTA(Teaching Assistant)として参加。さらに、来年度に試行開講、令和10年度での正規開講に向けて準備を進めている前橋工科大学より、ご担当予定の先生方が聴講参加する豪華な陣容での開催となりました。
セルフペースで進む教材カリキュラムと新潟大学の特徴
これまでのキャンパスプログラムにご協力いただいてきた教育機関の皆様からの知見や、オンデマンド講義を実践されている名桜大学の立津先生からのご助言から、弊社がご協力する対象校の先生方や受講生の皆さんに向けて、PBL講義の一環として採用しているプログラム用教材(各種セッションや教材をまとめ直したもの)をここ半年で大幅に手を入れて整えて来ています。
その教材の一つが絵日記アプリ作成動画で、アプリ(絵日記アプリ / LifeLog)の作成手順を示している約2時間の動画の中で、FileMakerの起動・初期設定からアプリ作成、検証、スマホへの挿入までを網羅しています。新潟大学さんでは、座学の講義形式をとる他校とは異なり、昨年の初回開講時よりこの教材動画を受講生が個々に視聴しながらそれぞれのペースで試作を進め、初日が終了する頃にはほぼ終了しているカリキュラム進行になっています。
また、今回の受講生は、昨年の参加者や多くの他校での実践と異なり、下は学部1年生、上は修士2年生とかなり幅広な構成での開講となっており、この構成の多様さもセミナー後半に続く自作アプリの解決対象課題の多様性と繋がり、かなり興味深いものとなったと感じています。加えて、「昨年はタイミングが合わず見送ったが今年こそは」と2年越しの参加を実現した学生もおり、このセミナーが少しずつ学内に根付き始めていることを示す良い証左のように感じました。
課題の言語化、StoryBoardの作成とギャップの実感
開催期間3日間のうち、初日で8割方の学生はサンプルアプリの作成が完了。2日目のお昼前後には各人自身の課題選定とその課題の文字化・言語化とストーリーボード(StoryBoard / PaperApp)の作成まで進み、午後からは自作アプリでの実装作業へと進みました。
実際、この段階の工程で参加学生からの反応として多く見られたのが、手順通りに進むことが可能なサンプルアプリ(絵日記)の作成と、自身の選定課題からの画面設計、そしてその設計の実装との間のギャップの実感、というものでした。
このステージを更に細かく分類すると、
- 考えついた・発見した課題とその解決方針を文字化・言語化できるか
- その言語化された選定課題を具現化(StoryBoard)し、第三者と認識の共有化ができるか
- 具現化された課題解決手法をアプリとして実装し、その課題解決度を認識できているか
と大まかに分類できると考えています。採用しているPBL講義においては、この三分類間に軽重はないことを前提にしている構成であるが故に、アプリとしての完成度そのものが絶対的な評価の対象になるものではありません。
その一方で、アプリ作成という日常的には馴染みのない行為を比較的分かりやすいプロセスで実現できるプラットフォームのFileMaker Proを利用することから、この三分類を限定された時間の中でも確実にクリアしてくる学生は、StoryBoardの段階でかなり完成度の高いアプリの姿を想像でき、更に最終プレゼンでの実機動作のアピールでは参加者の驚嘆を得るようなレベルのものまでもお披露目することが可能になっています。
衝撃的な精度を誇るStoryBoardと最終プレゼンテーション
2026年版の新潟大では、StoryBoardが衝撃的と言えるほどの精度、完成度の高い作品が目白押しとなり、この精度で更に作成・構築・実装の時間があれば相当な品質を有するアプリが生まれることは容易に想像できるものでした。
想定する一つの要因としては、初日が終わった段階で、この後に続く工程について昨年カンファレンスで発表した三河さんにStoryBoardと実際のアプリを受講生に示してもらいましたが、前者の完成度がかなり高く、またそれを模したアプリであったことが「それに続け」と今季の受講生のモチベーション向上に寄与した可能性もあるのではと感じています。
3日目の最終コマでのプレゼンは、作成アプリについては「まだもう少し時間が必要」という発表が大半であり、課題の解決が実現できそうか否かについてはPaperApp段階での構想で判断する、というものとなりました。PBLとしては十分な成果である一方で、コマ数が決まっている中で事前設計である工程と実装工程との時間配分は、今後のプログラムのより効果的な展開を検討する際にはかなり大きな検証を要する部分になるものと感じました。
おわりに
最終プレゼンの最中や終了後のアンケートにおいて、「楽しかった」という感想以外に、「もう少し時間をかけて自前アプリの完成までこぎ着けたい」という感想や、「アプリを通じての課題解決に繋がるような業界への興味が大きくなった」といった感想を少なからず目にすることができたことは、非常に嬉しい結果として捉えています。
夏休み後半の多忙な時期にもかかわらず、広報活動や講義の準備にご尽力いただいた熊野先生をはじめ、単位取得にはならないこのセミナーを受講してくれたモチベーションの高い学生の皆さん、また自校での開講に向けて情報収集に余念のない前橋工科大学の先生方に改めてお礼申し上げます。
今後もより効果的な講義となれるよう、関係する皆様と検証と準備を進めてまいりたいと考えております。